小学校受験の願書作りは、初めてだと戸惑いや不安がつきもの。
「長所が書けない」「志望動機がまとまらない」と悩むのは自然なことです。
この記事では、願書作りの進め方やNG表現を、我が家の経験と共に丁寧に解説します。
一緒に一歩ずつ、不安を減らしていきましょう。
願書を書くときのポイント

願書を書くときは、ただ思いを書くのではなく構成や表現にも工夫が必要です。ここでは押さえておきたいポイントをご紹介します。
志望動機
志望動機は、「なぜ我が子をその学校に入学させたいのか」を具体的に伝える大切な部分です。
我が家が志望動機を書く際に一番重視したのは、まず夫婦で教育方針を確認し合うことでした。夫婦の考えが一致していないと、願書の内容だけでなく、面接での受け答えにもちぐはぐさが出てしまうからです。
願書づくりは、夫婦で子育てを振り返り、教育方針を共有するよいきっかけにもなります。ぜひ前向きに話し合いながら取り組んでみてくださいね。

ポイントは、夫婦で教育方針を一致させること、そして学校の教育理念をしっかり理解し、それと家庭の教育方針をリンクして伝えることです。
子どもの長所・短所
娘の受験時に願書へ記載した内容です。
長所としては、「自分のことだけでなく、家の手伝いも自ら進んで行い、さらに弟にもその方法を教えてあげられる優しさがある」とまとめました。
短所については、「少し完璧主義なところがあり、思い通りに進まないとあきらめかけてしまう一面がある」と触れました。ただし、そのままでは印象が良くないため、「年長になり最年長としての責任や自覚が芽生え、小さなことであきらめずに取り組む強さが見られるようになった」と前向きな表現に変えました。

願書に短所を書く際は、必ず「改善の兆し」や「成長につながっていること」を添えると、先生方にポジティブに伝わりますよ。
将来どんな子になってほしいかの答え方
我が家の場合は、「自ら考え、物事を最後までやり遂げる芯の強い人物に成長してほしい」とまとめました。
そのうえで、ただ理想を述べるだけではなく、実際に家庭で心がけていることや具体的なエピソードを添えるようにしました。たとえば「途中で投げ出しそうになったときに励ましながら見守った経験」など、日常の中での工夫を交えることで、より説得力のある願書になったと思います。

願書に将来像を書く際は、「理想像」+「具体的な家庭での取り組み」をセットにするのがポイントです。
園での生活・友達関係はどう表現する?
娘の願書には、先生から伺ったエピソードを取り入れました。先生の言葉を引用すると、客観性が加わり、説得力が増すと考えたからです。
たとえば「泣いたり困ったりしている小さな子に気を配り、微笑みながら声をかけている面倒見の良い姿がある」といった内容を書きました。
願書では、なるべく保育園での雰囲気や娘の良さがそのまま伝わるように意識しました。
また、お友達との関わり方や園での遊びの様子など、実際の行動を具体的に書くことで、子どもの人柄がよりイメージしやすくなります。

小さなエピソードを添えると、読み手にぐっと伝わりやすくなりますよ。
願書と子どもの受け答えが一致すると強い印象に
願書には、こんなエピソードを書きました。
「お風呂掃除は娘の毎日の担当で、家族が気持ちよく入浴できるように、細かいところまで気を配って丁寧に作業しています。」
すると面接本番で、先生から「毎日のお手伝いは何をしていますか?」と聞かれた娘は、迷わず「お風呂掃除です!」と自信をもって答えてくれました。願書の内容とリンクしていたことで、娘の普段の様子がしっかりと伝わった瞬間でした。
やはり、願書に書いたことと子どもの答えが一致すると、先生への印象はぐっと良くなります。親が願書を書くときは、日常の習慣や子どもの得意なことを選び、書いたあとに「面接で聞かれたらこう答えようね」と軽く共有しておくのがおすすめです。

自然に答えられるようになれば、親子で安心して面接に臨めますよ。
やってしまいがちなNG表現

願書作りでは、小さな表現の違いが印象を左右します。あらかじめ避けたい表現を知っておくと安心です。
志望動機が「近いから・評判がいいから」だけ
学校側が知りたいのは「なぜその学校を選んだのか」というご家庭の考え方です。
「家から近い」「評判が良い」だけでは、熱意やお子さんとの相性が伝わりません。
ご夫婦で「本当にそれだけなのか?」と改めて話し合ってみてください。学校のホームページや学校案内をじっくり読み込むと、教育理念や行事内容にご家庭の考えやお子さんの性格と結びつくポイントが見つかるはずです。
そこから具体的なエピソードにつなげると説得力が増します。
長所が「元気・明るい」など漠然とした言葉だけ
「元気」「明るい」といった言葉は誰にでも当てはまりやすく、個性が伝わりにくいものです。
もしこの表現を使うなら、「友達が一人で遊んでいると声をかけて輪に入れる」など、実際のエピソードを添えるのがおすすめです。

エピソードがあると「確かにこの子は元気で明るい子なんだな」と伝わりやすくなります。
家庭像が「理想化しすぎ」て現実味がない
「毎日家族で読書しています」「テレビは一切見ません」といった極端な家庭像は、かえって不自然に映ります。
学校側が知りたいのは「理想の家庭像」ではなく、「自然体の家庭の姿」です。
例えば「忙しい日でも寝る前に10分だけ絵本を読むようにしている」といった自然体の取り組みのほうが、むしろ伝わりやすいし、読み手の先生にも無理のない日常としてイメージしてもらえます。
願書作成の進め方とチェックポイント

願書は一度で完璧に仕上げるのは難しいもの。まずは下書きを丁寧に作り、夫婦で確認しながら進めることが大切です。
下書きは夫婦で一緒に見直す
文章を考えるのは私(ママ)が得意だったので、まずママが下書きを担当しました。
その後、パパにチェックしてもらいアドバイスを受け、再度ママが修正。
最後に二人でダブルチェックする、という形で進めていました。
こうすることで、内容の整合性だけでなく、言葉の印象や読みやすさも高めることができました。
- 視点の違いを活かせる:ママとパパで異なる視点からチェックできるので、漏れや偏りを防げます。
- 書き方のバランスが取れる:ママとパパ、それぞれの視点で見直すことで文章に厚みが出て、より説得力のある願書になります。
- 精神的な安心感:願書作成は緊張しますが、二人で進めることで安心感が生まれます。
清書は丁寧に…!文字の印象が合否に影響?
我が家の場合、夫婦そろって子どものころに書道を習っていたので、「どちらが清書する?」という話になりました。
願書の下書きを塾の先生に見てもらったところ、「読みやすい字でいいですね!」と褒められたのはパパのほう。
その一言で、清書担当はパパに決定しました(笑)。
正直、どちらもあまりやりたくなかったのですが、先生の鶴の一声であっさり決まったのです。
子どもが寝たあと、パパが黙々と清書に取り組み、私は横で「もう少し!頑張って!」と声をかける…、そんな夜が続きました。

振り返ってみると、願書清書の時間も「家族で一緒に目標に向かって頑張った」大切な思い出になっています。
- 字は大きめ・丁寧に:小さな文字よりも、多少大きくても読みやすい字の方が好印象です。
- 誤字脱字に注意:修正液や二重線は使えないので、必ず下書きで確認してから清書を。
- 余白を意識する:ぎっしり書くより、余白にゆとりがあると読みやすくなります。
提出前に「第三者目線」で読み返す
可能であれば、塾の先生など第三者に見てもらうのが理想ですが、時間が限られている場合は、ご自身で「第三者目線」を意識して読み返すことをおすすめします。
先生の立場になって文章を読み直すことで、気づかなかった表現の違和感や改善点が見えてきます。こうしたひと手間が、願書の完成度をぐっと高めてくれます。
我が家の体験談(失敗例)

願書の提出前に気づけたので大事には至りませんでしたが、我が家には少し失敗したエピソードがあります。これから願書を書く方の参考になればと思い、共有します。
学校の教育理念とリンクしていなかった
我が家では、願書作成や面接での受け答えにおいて、「自ら考え、行動し、物事を成し遂げる力を育むこと」を教育方針のベースにしていました。
そのため、学校ごとに少しずつ言葉をアレンジして願書を仕上げていたのですが、ある学校では思わぬ落とし穴がありました。その学校は「情操教育」を重視していたにもかかわらず、私たちは「自らの考えに信念を持ち、それを行動に移し、物事を成し遂げる人物に成長してほしいと願っています」とまとめてしまったのです。
塾の先生に添削していただいた際に、学校の掲げる理念とうまくかみ合っていないことに気づきました。そこで、「娘の感性が豊かに育まれることを大切にしてまいりました」と修正。

本番前に方向性を正せたのは大きな収穫でした。
まとめ

願書作りは初めてだと不安なことも多いと思います。でも大丈夫。進め方やNG表現を知っているだけで、気持ちもぐっと楽になります。
この記事が、あなたとお子さんの願書作りの助けになれば嬉しいです。どうか、自信を持って本番に臨んでくださいね。
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