小学校受験でよく出る「マジックボックス」。
見た目はシンプルなのに、箱の中で起きている“見えない変化”を考えるこの問題、実は奥が深くて難しい…。
でも、ちょっとした工夫で、子どもがぐんと理解しやすくなるんです!
今回は、我が家で取り組んだ具体物を使った教え方や、混乱しないためのメモのコツなど、親子で楽しく取り組める工夫をご紹介します。
マジックボックスとはどんな問題?
マジックボックスの問題では、まず最初に「お手本(ルール)」が絵で示されます。
このルールをもとに、「次はどうなるか?」を考えていく形式が基本です。
数の増減に関する問題
たとえば次のような問題が出されます。


この例では、「箱を通ると〇が1つ増える」という法則(きまり)があることがわかります。
この場合は、〇を4つ書けば正解です。
このように、マジックボックスの問題では、
見本からルールを見つけて、次にどうなるかを予測する力が試されます。
図形の形が変わる問題
他には図形の形が変わったり、向きが変わったりするパターンがあります。



この場合は、図形が半分になっていることがわかりますね。



これは図形が反転していることを理解できているかが問われています。
このように、図形の変化や回転のルールを読み取って、出てくる形を予想しなくてはいけません。
マジックボックスで必要な力
見本をもとに法則を読み取り、「次はどうなるか?」を予想するこの単元では、さまざまな力が総合的に試されます。
- 観察力・推理力
お手本(見本)をよく見て、ルールや法則に気づく力
「なんでこうなったのかな?」と仕組みを考える思考力 - 計算力(数の理解)
1から10までの基本的な数の増減の理解
「2が3になった」など、簡単な数の変化に気づける力 - 記憶力・応用力
見本のルールを一時的に覚えて、問題に活かす力
複雑な問題に応用するための柔軟な思考 - 図形に関する知識
図形の名前・特徴・向き・大きさなどに気づく力
図形が回転したり、半分になったりすることへの理解
マジックボックスは、「見えない仕組み」を想像する力や、柔軟な思考力が問われる奥深い単元です。
解き方のコツ

はじめからペーパーで取り組もうとすると、
「意味がわからない=楽しくない=嫌い」という流れになってしまうことも。
マジックボックスは、「なんだかおもしろい!」という気持ちでスタートできれば、自然と考える力が育ちます。
焦らず、実物→イメージ→ペーパーの順で進めるのが、おすすめです。
具体物を使って実際にやってみる

マジックボックスの問題をスムーズに理解してもらうには、いきなりペーパーに取り組むのではなく、実際に目の前でやって見せてあげるのがいちばん効果的です。
特に、「数が増えた!」「減った!」というような問題のときは、
たとえば、小さな箱を用意して、ラムネやビー玉や折り紙などを使ってみましょう。
「この中に〇を2つ入れたら…あれ?出てきたのは3つ!」と実演してみせるだけで、子どもは自然と「なにが起こったのかな?」と考えるようになります。
具体物を使って遊ぶようにやりとりしているうちに、子どもが「なるほど、そういうことか!」とイメージをつかめたら、
「じゃあ、このプリントもできそうかな?」と、そっと声をかけてみてください。
子どもの様子をよく見ながら、無理のないペースで少しずつペーパーにステップアップしていくと、苦手意識が生まれにくくなりますよ。
メモを書くクセをつける

ペーパーの難易度が上がってくると、箱が2つ出てきたりして、複雑になってきます。
1つだけも大変なのに、2つも出てきたら、混乱してしまいますよね。
そんなとき、我が家では塾の先生のアドバイスをもとに、「メモを書く習慣」を取り入れました。
具体的には、マジックボックスの下や、矢印(➡)の下に、ちょっとしたメモや図を書いて整理するんです。
たとえば、こんな問題があった場合。


これを頭の中だけで追うのは、まだ難しいですよね。
そこで、紙の上にこのようにメモしてみます:

こんなふうに、1つ目の箱を通ったあとの「途中の数」をメモしておくことで、
ひとつひとつ確認しながら、落ち着いて確実に答えを導くことができるようになります。
メモといっても、きれいに書く必要はありません。
子ども自身が「あとで見てわかる」程度で十分。
むしろ、その「小さなメモこそが、思考を整理するてがかり」になります!
まとめ

マジックボックスは、最初は「なんだか難しそう…」と思うかもしれませんが、
具体物を使って見せたり、ちょっとしたメモを書いたりすることで、ぐんとわかりやすくなります。
焦らず、楽しみながら少しずつ取り組んでみてくださいね。
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